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地球を動き回ってないと落ち着かない日常

絶望の街 カシュガルを歩くⅡ【新疆ウイグル④】

 

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前回の続き。

 

午前の街を散歩

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交差点の向こうにはテントの下で原付(電動バイク)を監視する警官の姿。

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交差点脇に構える便民警務站。国家権力による監視施設のオンパレードである。

 

三運総合市場

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この市場に限らずカシュガルの商店の軒先は鉄格子で覆われていた。

しかし、この市場はとりわけ徹底していてまるで牢獄のような柵に囲まれていた。

そんな中でも「正常営業」している。

 

ユースフ・ハーッス・ハージブ廟

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ウイグル人思想家、ユースフ・ハーッス・ハージブの墓である廟は二重の柵で覆われていた。ここから中にいる係員に入りたい旨を伝えるとようやく入ることができた。

入場料は30元。

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手荷物検査はもちろん、パスポート番号を控えられた。

事務所わきには盾や刺す又など武具が備えられている。仰々しい廟だ。

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胸像。

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人気が全くない廟で手入れがされているとはいいがたい場所だった。廟内部は埃で煙たく、宗教施設として全く使われていない様子でした。

ブドウの木もまた手入れされず枯れていく姿が悲しかった。

 

小学校前

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カシュガル市第12小学校は鉄格子で囲われ、正門前は柵で厳重に囲まれていた。

 

昼ご飯はラグメン

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検問所を通って古城内に入ります。我々は外人だからかノーチェック。

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昼ごはんは古城内のこのお店でラグメン。

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注文してから手打ちされる麺とアツアツの具をかき混ぜて食べる絶品。

これ食べにだけに新疆行きたい…

 

封鎖されたモスクたち

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古城東側にあるこのモスク。頂上の月は外されている。

また「アッラー・アクバル(アッラーは偉大なり)」の額縁があったであろう場所には「愛党愛国」のスローガン。

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扉には鍵がかけられ、そこに向かって防犯カメラが向いている。

 

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頂上の月があったであろう芯が折られているモスク。

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壁に描かれていた「アッラー・アクバル」は白く塗りつぶされている。

 

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このモスクもまた、「月」が無い。

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「夢回喀什」カシュガルの夢再び

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扉には鍵がかけられている。「THE DREAM OF KASHGAR」カシュガルの夢…

 

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公衆トイレの中にあった手足洗い場。イスラム教徒は礼拝前に体を清める。

全く使われていない様子だった。

 

エイティガール寺院

新疆の象徴ともいえるエイティガール寺院は封鎖されていなかった。

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玄関には「愛党愛国」のスローガンが掲げられている。

ここで英語のできる係員から写真撮影の禁止、荷物はロッカーに預けることを伝えられる。パスポートは番号を控えられる。入場料は22.5元。

 

私はその時に注意されていたことをうっかり忘れてしまい、たまたまポケットに入っていたカメラで内部を撮影した。

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敷地内に入ると落ち葉だらけだった。

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多くのイスラム教徒たちが礼拝するであろう場所やベンチにも埃塵が積もっている。

ここはおそらく礼拝の場所ではない。

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習近平国家主席とイスラム教徒の交流の写真や中国共産党のスローガン。

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モスク内部と外部の屋根付き礼拝所。どちらもテープが張られ入れないようになっている。絨毯には埃が積もり礼拝の場所としては使われていない様子だった。

 

宗教施設として使われなくなったモスクほどもの悲しい場所はない。

ここはモスクではなく単なるイスラム建築展示場にすぎない。

 

帰り際、係員に英語で「礼拝はいつ行われるのか」と尋ねた。

彼は少し目を見開いて「あと一時間後にある」と答えた。

見学は可能かと問うと信者ではないとだめだと言うので仕方なく何も言わず帰った。

 

その一時間後、私はモスク広場の前にいた。

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モスクには礼拝時間のため参観禁止と書かれている。

しかしながら礼拝を知らせるアザーンの放送は鳴らず誰一人、モスクに出入りしない。

 

広場の前に佇む帽子を被った老人たちがうつろ気な表情で虚空を見つめていた。

もうカシュガルにイスラム教は存在しないようだった。

 

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悲し気なこの街の姿を見て、帰り道に蓋飯(ガンファン・ラグメンのご飯版)を食べた。

今日もまた、長い一日が終わった。

 

新疆ウイグル自治区、カシュガルは宗教が骨抜きに、民族の伝統がないがしろにされている様子を垣間見ることができて衝撃的な場所であった。

この訪問から少し時間がたっているが私はまだこの場所で起きていることを整理できない。わずか数日しか、旅行者の立場でしか滞在しなかったのだが、悲惨な姿は十分にみることができた。生産年齢の人々のいない街、宗教施設が封鎖され当局のスローガンが目立つ街、ここはこの世の果てだったのだろうか、それとも…

 

 

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