世界地図を読みながら

地球を動き回ってないと落ち着かない日常

弾圧の都 烏魯木斉を歩く【新疆ウイグル①】

目が覚めると寝台列車は砂漠の中を走っていた。時刻は北京時間午前7時。

首都の北京から4000㌔近く離れた新疆はまだ夜明け前だ。

砂漠の上にはうっすらと輝く星が見える。私はもう一度寝ることにして布団に入る。

 

再び目覚めたら朝になっていた。午前10時。

外を見ると砂漠の彼方に山脈が見える。新疆ウイグルについているのだ。

 

食堂車で荒野を眺めながら中華式の朝食をとって、

部屋でごろごろしていると昼になった。

 

12時45分、予定より遅れて列車は烏魯木斉駅に到着した。

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 2017年10月下旬、私は友人と共にシルクロードを辿る一か月弱の短い旅をしていました。出発地は中国西安、目的地はウズベキスタン。その旅の新疆部分のお話です。

少数民族「ウイグル族」に対して弾圧が行われていると噂の新疆ウイグルでしたので、恐怖心を抱きながらの4泊5日間の旅です。

 

烏魯木斉(ウルムチ)到着

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新疆ウイグル自治区の都、烏魯木斉駅に到着。

長い寝台車からぞろぞろと乗客がおりる。

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新疆ウイグル自治区なので看板は中国語の他に公用語のウイグル語、英語が併記。

少数民族の言語が併記されてる以外、他の中国都市と変わらない。

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さっそく駅構内には中国共産党によるプロパガンダ広告。

ウイグル語も併記されているが中国語と比べると小さい。

この国で駅構内に広告を出す企業はいないのだろうか…

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駅構内の看板はホームのものに加えてロシア語も併記。
さすがカザフスタンとの国境の拠点。私はウイグル語以外分かるので助かる。

 

駅からは公共交通機関で市街地へ。

中国の鉄道駅は郊外にある場合が多くもれなく烏魯木斉もその形。

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烏魯木斉市営バス。

車両前方の電光掲示板には「社会主義核心価値観」が延々と流れていた。

停留所分からないから普通に流してくれ…

 

一度バスを乗り換えて市街地にあるホテルに到着。

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今日の宿は「錦江之星」酒店。

中国のチェーンホテルでツインルーム一泊284元(3000円ほど)

 

市街地を散歩

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この日のウルムチはあいにくの天気。雨が降ったり止んだり。

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バスに乗って烏魯木斉博物館方面へ。

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バスの中には「烏魯木斉市民公約」や「我々の価値観(社会主義核心価値観12ヶ条)」が掲げられている。上に中国語、その下はウイグル語だ。

同じポスターが二枚並んでいるし、

この街の公共交通機関には妙に当局のプロパガンダが多い。 

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タクシーには中国国旗が掲げられている。

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青い大きな、便民警務站(交番)が見える。治安維持のためか数百メートル毎に設置されている。そういえばこの街には妙に警官が多い

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モスクのような建物も見えた。しかし人の出入りはない。どの宗教施設もそうだが、生きた感じが無い。この街はどこかおかしい。

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ショッピングモール。国際ブランドが並んでいる。

ちなみにこの建物に入るためには金属検査が必要だ。

ここの買い物客は漢人が多く、警備をしているのは皆ウイグル人だった。

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目的地の烏魯木斉博物館。あいにくこの日は月曜日で休館だった。

 

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近くにあった新疆料理屋に入る。ホテルの周辺は蘭州拉麺や四川料理ばかりで新疆料理店は見当たらなかったから、ほんとにあるのかなあと思っていたがあった。

新疆最初の食事は新疆料理。

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メニューは中国語で書かれていた。漢字なので私でも理解できる。

おすすめだという拉黄麺を頼む。店員はウイグル人で片言の中国語を解していた。

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拉黄面。餡のようなスープの麺でラグメンとは少し違っていて美味しい。

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店内はウイグル調。客は現地人で、漢民族は一人もいなかった。

 

烏魯木斉地鉄(メトロ)乗車

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この日から四日前に開業していた烏魯木斉地鉄に乗車。

最新の地下鉄である。

地下鉄駅構内に入るためには手荷物検査が必要。

他の中国国内の地下鉄も同様だが、烏魯木斉地下鉄は非常に厳しく、

水やスプレーの持ち込みも禁止。山のように没収品が置かれていた。

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エスカレーターの乗り方

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きっぷの買い方

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持ち込み禁止品

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安全指針

地下深くまではエスカレーターで。

そして当局のプロパガンダや注意喚起が並んでいる。


きっぷの購入は自動券売機

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英語表記にも切り替え可能。

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中国語と英語表記しかないためか、ウイグル語による解説。

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開業したばかりであるためか新しい切符。美しい図柄だ。

新しい駅・車両

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新しくきれいな車両。他の都市の地下鉄と車両は変わらない気がする。

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液晶にはウイグル語も併記されていた。

10/29当時は八楼駅から国際空港駅までの間が部分開業中。

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メトロ駅巡り

烏魯木斉地下鉄にはいくつかのユニークなデザインをした特色駅が作られていて

駅巡りが楽しい

 

鉄路局駅

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水色が爽やかでまるで海の中にいるかのような感じ。

多くの市民がここで記念写真を撮影していた。

 

国際機場駅

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照明の色が刻々と変わっていくため異なる雰囲気を楽しめる駅。

でもあまり写真映えはしないかな。

 

八楼駅

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黄色が鮮やかで美しい駅。ここで撮影したポートレートは今でもお気に入り。

 

植物園駅

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宣仁墩駅

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 メトロ巡りは二時間ほど。鉄路局や国際機場駅はとりわけ美しく、これを見るために烏魯木斉メトロに乗る価値もあると思います。特に雨の日や冬の寒い日の観光とか。

 

外に出ると日が暮れていた。

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BRTに乗って烏魯木斉国際大バザールへ

烏魯木斉国際大バザール

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身分証確認、手荷物検査を経て中へ。烏魯木斉ではBRTの駅やホテル、銀行等の建物も含め、人の集まる場所では必ず検査が必要だった

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新しいミナレット(塔)と二道橋清真寺(モスク)。

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イスラム調の建物に大通りにはキオスクタイプの商店が並んでいる。

全店舗に中国国旗が掲げられている。今日は祝日だろうか。

 

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夕ご飯はバザール内のウイグル料理屋で。

観光客向けなのかあんまりおいしくなかった。

 

ウイグル人街を歩く

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モスク。封鎖されていて入ることは出来なくなっていた。

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おそらく教会か宗教施設の跡地。最近壊された様子だった。

銅像が朽ち果てんばかりで儚げ。

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モスクや教会。どの宗教施設も柵で囲まれ、入れなくなっているのが特徴的だった。

 

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ウイグル人が営業している店舗。国旗がずらりと並び写真映えする(しない)

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この区域の一角の商店で買い物をしたのだが、かなり不審に思われた

ウイグル人街に漢人風の人間が入ったからだろうか、外国人だからだろうか。

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街の中には至る場所に監視カメラが設置されている

中国国旗やモスクばかり撮影している私たちは少し怖い思いをしながら宿まで帰った。

 

新疆ウイグル自治区に入った一日目、街中に溢れる警官、検査、監視カメラに少し恐怖を抱き、封鎖されているモスク、掲げられる中国国旗に違和感を感じていた。

この街は他の中国都市とは何かが違う…

その小さなわだかまりは翌日以降さらに膨らむことになる。

 (続く)

 

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